杉野諒一(9)は小学校四年生。
九州最後の炭鉱の島・池島の民家にたった一人で住んでいる。
母の生まれ故郷である池島に来たのは一年前。しかし母は嵐の夜から行方不明になっていた。

ある日、諒一はランドセルの中から小さな『石炭』を見つける。
「石炭はずっと昔に生きとった植物の化石…命の石」・・・ふいに母の言葉がよぎる。
3,000グラムの石炭を「諒一の分」と言っていた母。

「これは何かのメッセージに違いない、母さんが帰ってきているんだ!」と言う諒一に「立入禁止区域にいるかもしれん、さがさんば」と、秘密基地に集まった志津己(10)・燐太(9)・知子(12)が立ち上がる。

しかし、立入危険区域には「大きな試練」が待っていることを、少年たちはまだ知らない・・・。

冒険の途中では、謎の男・池の鬼が、突然諒一の家に上がり込み「俺の願いを聞け!」と命令してくる。何をするのかと思えば、せっせと諒一の顔を描き始めた。
しかし、出来上がったその絵は全くの別人の様だ…。

この絵の意味は?なぜ池の鬼は絵を描いているのか?
そして【母の石炭の秘密】が伝えることは何なのか?

それは物語の核心であり最大の謎。その謎が明かされる時、主人公諒一の運命が大きく揺れるのです。
誰もが過ごした子供時代のせつなくて大人に成長する為の必要不可欠な冒険が、今、始まる。


「池島」とは
九州最後の炭鉱の島として産業遺産等が多く残り、軍艦島と並び全国から大きな注目を集めている。 本映画では初めてカメラが入る危険な場所での撮影が多く、誰も見ることができない日本とは思えぬ不思議な表情が次々と映し出されていきます。

「譚歌」とは
バラードと言う意味を持ち、炭鉱の島に残る温かい想い「同じ仕事をしていれば、誰もがみんな大きな家族」をテーマに、優しく包み込む母親の子守唄の様な懐かしさも描いています。

「ラストシーン」での挑戦
本作ラストシーンでは、レール移動撮影距離世界一を目指し、1キロにも及ぶ距離をカットを割らず・カメラを止めることなく撮りきりました。【全ての人は、必ず誰かから、世界一愛されている】という想いの中、ノンストップで流れ続ける「人生」と「時の流れ」と「レールの繋がり」に喩えていき・・・そして。
そこには奇跡が待っているのです。

「この物語の主人公」は
映画の中で走り続ける少年や、苦悩を持ちながら成長した青年の様に映るかもしれません。
しかし、本当の主人公は他の誰でもない、今これを読んでいる「あなた」なのです。

<2013年/日本/5.1ch/デジタル/117分/©映画チームフィルムフロンティア>